【ラブライブ!】金曜ワイド劇場「三十路探偵・みもりんの事件簿M」依頼人の恋人はみもりんクリソツの美女!?ありふれた人探しが事件を招く[字][解][S][デ]

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1: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:00:01.15 ID:An0+nTDG

みも宅

みも「南條さん、コーヒーどうぞ」

じょる「ん、ありがと」

みも「その……この後なんですけど、一緒に出かけませんか?」

じょる「うーん、めんどい」

みも「せっかくの休みじゃないですか! 行きましょうよ~」ユサユサ

じょる「せっかくの休みだから家でゆっくりしたいんだよ」

みも「そんなこと言って~、昨夜はあんなに――」

じょる「ふんっ!」ベシッ!

みも「いって! なにすんですか!」

じょる「お願いだからおとなしくしてて」

みも「むぅ……南條さんは私とデートしたくないんですか? ね~え~!」

じょる「あーもうしつこい……みもちゃんさ、探偵の仕事はないの?」

みも「今は特にないですね。おかげでお金がまったく入ってきませんよ、あっはっは」

じょる「笑い事じゃないだろ」



2: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:02:00.37 ID:An0+nTDG

みも「いやぁ、南條さんがいてくれてほんと助かりますね!」

じょる「私はみもちゃんのATMか」

みも「まっさかぁ、立派な彼女ですよっ」

じょる「あっそ……」

ピンポーン

みも「ん? なにかな……」トテトテ

みも「どれ……げっ!」

じょる「どした?」

みも「くっすんです……」

じょる「なんだ助手か、通してあげなよ」

みも「ダメですよ! 南條さんがここにいること話してないんです!」

じょる「ええっ、まだ言ってなかったの?」

みも「言えるわけないじゃないですか! くっすんも南條さんのこと好きなんだから……」

じょる「あー……」

ピンポーン

みも「ど、どうしましょう?」

じょる「適当な理由つけて帰ってもらったら? それか居留守使うとか」

みも「よし、居留守作戦でいきましょう」


4: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:04:00.11 ID:An0+nTDG

ピンポーン

みも「…………」

ピンポーン

じょる「…………」

ピンポーン

みも「……まったく帰りそうにないですね」

じょる「もう出るしかないんじゃない?」

みも「はぁ……」ピッ

みも「ハローくっすん。なんの用?」

くす『あっ、やっと出てくれたぁ! 用ってほどのことじゃないんだけどねー』

みも「だったらわざわざうち来ないでよ……」ボソッ

くす『ん? なに? よく聞こえなかったんだけど』

みも「あーいや、なんでもないよ。それで?」

くす『最近探偵からの呼び出しなかったからさ、心配で様子見に来たんだよ』

みも「そっか。この通り私は元気だよ」

くす『うん、元気そうでよかった』


5: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:05:59.98 ID:An0+nTDG

みも「それじゃあもう用は済んだってことでいい?」

くす『あれ? もしかして帰れって言ってる?』

みも「まあ……」

くす『せっかく来たんだし部屋上がらせてよ~』

みも「いや、それはちょっと……」

くす『えーなんでー?』

みも「なんでって言われても……」

くす『じゃあ私、探偵が部屋に入れてくれるまで帰らない!』

みも「はい?」

くす『ここでずーっと待ってるから』

みも「わがまま言わないでよぉ……」

くす『わがままじゃないもーん。ん?』

みも「どうしたの?」

くす『誰か帰ってきたみたい……ぐふふ』

みも「……まさか!」

くす『んじゃ今から行くねー』

みも「ちょっ、くっすん!」


7: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:08:00.45 ID:An0+nTDG

じょる「こりゃまずいなぁ……」

みも「と、とりあえず南條さんは隠れてください!」

じょる「隠れるって言っても……」

みも「いいから早く!」

じょる「はいはい」

みも「……あっ、そうだ! 南條さんの匂い消しとかなきゃ!」

………………

…………

……

ドンドン!

くす『探偵ー! 開けてー!』

みも「ふー……大丈夫、きっとごまかせるっ!」カチャッ

ガチャッ

くす「えへへ、来ちゃった」

みも「『来ちゃった』じゃないよ、もうほぼ犯罪だよ」

くす「あれ? なんかファブリーズくさい……」

みも「そ、そう? 気のせいじゃない?」

くす「まあいいや、お邪魔しまーす」


8: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:10:00.07 ID:An0+nTDG

リビング

くす「ん……? ねぇ探偵、どうしてコーヒーふたつあるの?」

みも「えっ!? あっ、それはね、くっすん来たから! 淹れといたの!」

くす「そっかぁ。でもこれどっちも飲みかけじゃない?」

みも「んっとぉ~……美味しそうだから両方飲んじゃったぁ! てへっ」

くす「もー、探偵ったらしょうがないなぁ」

みも「ほっ……」

くす「それにしてもこの部屋広いよねー。一人じゃ持て余しちゃうでしょ」

みも「やっ、別に? そうでもないよ?」

くす「いやいや絶対広いって。一人暮らしする部屋じゃないよ」

みも「でもさ、それはくっすん個人の感想であって――」

くす「そうだ! 私もここに住まわせてよ!」

みも「はあ!?」

くす「事務所がないと仕事の話もあんまりできないしさ、いっそのこと一緒に住んじゃお?」

みも「無理無理無理! 絶対ダメ!」

くす「いいじゃん、一部屋くらい余ってるでしょ?」

みも「余ってないよ! ものすごーく余ってないから!」


9: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:12:00.09 ID:An0+nTDG

くす「……なんかやけに必死だね」

みも「全然必死じゃないって!」

くす「あ、もしかしてレズ物のエッチな本隠してるとか? 大丈夫だよ、私そういうの気にしないから」

みも「うちにはそんなものないよ……」

くす「えー? だったらどうしてそんなに嫌がるの?」

みも「それはぁ……えっと……」

くす「よーし、とりあえず家中調べてみよっと!」スクッ

みも「えっ、ちょっと!」

くす「お部屋とお宝、どっちが先に見つかるかな~?」スタスタ

みも「あぁ、待ってよくっすん!」スタスタ


廊下

くす「さっきからファブリーズの匂いがずっと気になってるんだよねー」

みも「お願いだからリビング戻ろ? ねっ?」

くす「ファブったってことはなんかの匂いを隠したいってことでしょ?」

みも「私の話聞いてる?」

くす「じゃあまずはこの部屋から見てみよっかな」

みも「あっ、その部屋は――!」

ガチャッ


10: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:14:00.06 ID:An0+nTDG

くす「んん……? なにこれ、物置? ダンボールだらけなんだけど……」

みも(うわ、南條さんまだ荷解きしてなかったんだ……)

くす「もっと空っぽの部屋ないのかな」バタン

みも「ないよ! ないからもうやめよ?」

くす「次はここー」ガチャッ

みも「ああもうっ!」

くす「あれ、ここ寝室かぁ……ん?」

みも「ど、どうしたの?」

くす「ちょっとベッド大きくない?」

みも「えっと……大きい方がぐっすり眠れるんだよ!」

くす「ふーん。じゃあじゃあ、なんでシーツかかってないの?」

みも「そ、それはほら、時々洗濯しないと……ね?」

くす「ふむ……洗濯……ファブリーズ……はっ!」ピコーン

みも「なに!? なにを閃いたの!?」

くす「あ、うん。なんていうか……寂しいんだね、探偵」

みも「はいっ?」


11: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:15:59.95 ID:An0+nTDG

くす「まあ、そういうことなら今はまだここに住むのはやめとくよ」

みも「待って待って、どういうこと?」

ヘクシッ!

くす「あれ? 今なにかくしゃみみたいなのが……」

みも「き、気のせいじゃない?」

くす「ううん、絶対聞こえた。たぶんこっちのほうから……」スタスタ

みも「あわわ……」


和室

くす「この押し入れが怪しい……オープン!」バーン!

じょる「あ……」

くす「えっ? なんちゃん警部補!?」

みも「いやっ、これは南條さんじゃないよ! そうですよね?」

じょる「……!」コクコク

くす「え……じゃあ誰なの?」

じょる「…………」

みも「そ、それはぁ……」

じょる「う、ウフフ、ぼくドラえ――」


13: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:18:00.18 ID:An0+nTDG

百貨店

みも「いやぁ、ドラえもんはちょっと無理ありましたねー」

じょる「んなことわかってるよ……にしても、よく『かくれんぼしてた』でごまかせたな」

みも「まあくっすんですからね」

じょる「……やっぱり話しちゃったほうがいいんじゃない?」

みも「えー? 私たちのこと知ったらあの子絶対泣きますよ」

じょる「だからっていつまでも黙ってるわけにはいかないでしょ」

みも「それはそうですけど、ショックがでかすぎるんじゃ……」

じょる「じゃあもし私がみもちゃんじゃなくて助手と付き合ってたらどうする?」

みも「そりゃくっすんをクビ――やっ、心からお祝いしてあげますよ、はい」

じょる「……みもちゃん」

みも「ち、違うんです! 今のはその……みもりんジョークですよ!」

じょる「冗談に聞こえんわ」

みも「信じてください! 私くっすん大好きですから!」

じょる「はいはい……私ちょっとトイレ行ってくる」

みも「あっ、じゃあ私そこのお店見てますね」

じょる「ん、わかった」スタスタ


14: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:20:00.10 ID:An0+nTDG

三分後

みも「お、これ可愛い! けど結構高い……」

じょる「みもちゃんおまた――」

ぱい「すーちゃーん!」タッタッタッ

みも「ん?」

ガバッ!

みも「おわっ!?」

ドサッ!

ぱい「やっと会えたっ! すーちゃん!」スリスリ

みも「えっ、なに!?」

じょる「みーもーちゃーんー……!」

みも「あっ、南條さん!」

じょる「その女、誰?」ゴゴゴ……

みも「知りませんよ! 助けてくださいっ!」

………………

…………

……


15: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:22:00.04 ID:An0+nTDG

じょる「ふーん、彼女がみもちゃんにそっくりねぇ……」

みも「そんなに似てるの?」

ぱい「うん! 写真見せてあげる。ほらっ」スッ

じょる「ふむ……まあ確かに似てるか……」

みも「すごーい! まさか私みたいな絶世の美女がこの世にもうひとりいるとは……」

じょる「美女って自分で言うな」

ぱい「でもすーちゃんはもっとおっぱい大きいから、そこは全然似てないね!」

みも「…………」

じょる「あー……こんなそっくりなら一回会ってみたいね。ね、みもちゃん?」

みも「そですね……」

ぱい「あ……それはちょっと無理、かな?」

じょる「どうして?」

ぱい「その、すーちゃんすっごく人見知りするから!」

じょる「へー」


16: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:24:00.03 ID:An0+nTDG

ぱい「それにしても顔だけはほんとそっくりだなぁ……」ジー

みも「顔“だけ”って言うのやめてよ」

ぱい「すーちゃん……」ジリジリ

じょる「ちょっと! みもちゃんは私のもんなんだからあんま近づかないで!」

ぱい「あ、ごめんなさい」

みも「うへへ、『私のもの』かぁ……」

じょる「あっ、いや今のはなんというか――」

みも「まあここで会ったのもなんかの縁だろうし、もしなにか困ったことがあったらここに連絡して」スッ

ぱい「探……偵……?」

みも「あぁ、自己紹介が遅れたね。私はどんな難事件も見事に解決してきた名探偵で、みんなからはみもりんって呼ばれてるの」

ぱい「そうなんだ。私はぱいるちゃん、よろしくね」

みも「こちらこそよろしく」

ぱい「ちなみに探偵は今までどんな事件を解決したの?」

みも「えーっと……どんな事件がありましたっけ?」

じょる「忘れたんかーい」


17: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:26:00.01 ID:An0+nTDG

みも「ま、まっさか~! ちゃんと覚えてますよ、ただちょっと思い出せないだけです!」

じょる「だからそれを忘れたって言うんだよ」

みも「とにかくっ! 思い出せないくらいいろんな事件を解決したってこと!」

ぱい「そっかー。すごいね、探偵!」

みも「いやぁ、それほどでも……」ニヘラ

じょる「…………」ムスッ

ぱい「っと、私もう行かないと。じゃあ……また」

みも「うん、またね」

スタスタスタ……

じょる「……“また”会うつもり?」

みも「はい?」

じょる「なんであの子に連絡先渡したの?」

みも「だって今仕事の依頼がないから宣伝しようと……」

じょる「それだけ?」

みも「それだけですけど……」

じょる「ふーん……」


18: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:28:00.01 ID:An0+nTDG

みも「南條さん、なんか変ですよ?」

じょる「別に変じゃない」

みも「……もしかして、私を取られちゃうかもーとか思ってます?」

じょる「なっ……!」

みも「大丈夫ですよ、私は南條さん一筋ですから」

じょる「わ、私は別に取られるとか思ってないし!」

みも「そうですか? ま、そもそもあの子にも彼女がいるわけですから、そんな心配は無用だと思いますよ?」

じょる「……あ、そっか」

みも「それとも、南條さんは私が簡単に心移りする女だって思ってます? もしそうだったらちょっとショックだなぁー」

じょる「いや……思ってないよ」

みも「ならよかった。それじゃそろそろ休憩は終わりにしましょうか」

じょる「うん」

みも「さーて、次はどこ行こっかなー」

………………

…………

……


19: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:30:00.20 ID:An0+nTDG

一週間後 みも宅

みも「だーかーらー、うちは女性からの依頼しか受けないんです! ばいなら!」ガチャッ

みも「まったくもう……」

ジリリリリ……ジリリリリ……

みも「はぁ。またか……」ガチャッ

みも「あのさぁ、さっきから何度も言ってるけど、女性専門なの! わかる!?」

ぱい『え? あ、あの……』

みも「ん……? もしもしどちら様?」

ぱい『えっと、この間デパートで番号教えてもらったからかけたんだけど……』

みも「デパート? うーん、デパート……んん?」

ぱい『……もしかして覚えてないの?』

みも「待って! 今思い出してるから! たしか南條さんとデートして……」

ぱい『…………』

みも「……あっ! もしかしてすーちゃんの彼女のぱいるちゃん!?」

ぱい『そう! よかった~、覚えててくれて』

みも「えっ、どうしたの? なんかあった?」

ぱい『その……探して欲しい人がいるの』


20: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:32:31.22 ID:An0+nTDG

セロリ


21: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:33:00.15 ID:An0+nTDG

ファミレス

みも「子供の頃の友達?」

ぱい「うん。名前はそらちゃん」

みも「名字は?」

ぱい「忘れちゃった」

みも「そう……探してほしいってことは、その子の連絡先もわからないんだよね。最後に会ったのはいつ?」

ぱい「中学生の頃だから……15年くらい前かなぁ」

みも「えっ、そんなに前なの?」

ぱい「うん。私が引っ越してからずっと会ってなくって……」

みも「そっかぁ……その頃住んでた家には行ってみた?」

ぱい「行ったけどもう住んでなかったの」

みも「ふむ……」

くす「その探してる子って、同級生?」

ぱい「えっ? あー……うん、そう」

みも「名前以外になにかわかることってない?」

ぱい「えっと……たしかお父さんが会社の社長だったような……」

みも「それってなんの会社?」

ぱい「ごめんね、そこまで覚えてないの」


22: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:33:59.96 ID:An0+nTDG

くす「せめて写真とかない? 一枚くらい残ってるよね?」

ぱい「あぁ、それもないかな……」

くす「ええっ、ないの!?」

みも「うーん、これはなかなか骨が折れそうだなぁ……」

くす「だね。どうする? やめとく?」

ぱい「待って! お金ならいくらでも払うから! お願いっ!」

みも「……しょうがないなぁ。いいよ、この名探偵みもりんに任せて!」

くす「え、大丈夫なの?」

みも「まあなんとかなるでしょ」

ぱい「よかった……よろしくお願いしますっ!」

くす「でもどうして今さらその友達に会いたくなったの?」

ぱい「……その子がこの間夢に出てきてね、久しぶりに話したいなーって思って」

みも「へー。今でも夢に出てくるなんて、仲良かったんだね」

ぱい「うん……そうなの」

みも「よーし! 私がそのそらちゃんを必ず見つけてきてあげるから、期待して待ってて!」

くす「現生たっぷり用意してね!」


23: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:36:00.76 ID:An0+nTDG

夜 みも宅

じょる「よかったね、仕事ができて」

みも「はいっ! たぶん結構な額払ってくれますよこれは」

じょる「うまくいけば、だけどね」

みも「大丈夫ですよ、私には南條さんがついてますから」

じょる「……はい?」

みも「警察パワーでちゃちゃっと見つけちゃってください!」

じょる「嫌だけど」

みも「なんでですか!」

じょる「だって私の仕事じゃないし」

みも「そんな冷たいこと言わないでくださいよぉ……」

じょる「あのねぇ、そもそも私はみもちゃんの恋人であって助手じゃないの」

みも「う……それはそうですけど……」

じょる「とりあえず、まずはみもちゃんの力で探さないとダメでしょ」

みも「あぅ……」

じょる「まあ……もしどうしても助けが必要なら相談してよ。その時は手貸してあげるからさ」

みも「南條さん……! 好きっ!」ギュッ

じょる「暑い。くっつかないで」


24: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:37:59.97 ID:An0+nTDG

翌日 住宅地

みも「えっと……たぶんこの辺のはずなんだけど……」

くす「あっ、ここじゃない?」

みも「おー、ほんとだ。4人家族みたいだけど、たしかに表札には“そら”って名前はないね」

くす「お隣さんに話聞いてみよっか」

みも「そだね」

スタスタ……

ピンポーン

えみ『はーい』

みも「あ、どうもー。私みもりんって者なんですけどー」

えみ『は?』

みも「少しお話聞かせてもらっていいですかー?」

えみ『……話って、なんの?』

みも「ここの隣に住んでた人についてちょっと」


25: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:39:59.98 ID:An0+nTDG

えみ『……ちょっと待ってて』

くす「話は聞かせてもらえそうだね」

みも「なにか手がかりがつかめればいいんだけど……」

ガチャッ

みも「お、出てきた。こんにちはー」

えみ「こんにち……わーお」

くす「こんにちわーお?」

みも「新しい挨拶かな?」

えみ「なになに? こんな美人さんが揃っちゃってぇ」

くす「えへへ、美人さんだって」

みも「あ、うん。そんなことより――」

えみ「私はえみつん。よろしくね」ニギッ

ビビビッ!

みも「ん?」

くす「どしたの?」

みも「いや……」


26: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:41:59.95 ID:An0+nTDG

えみ「あ~すっごく好みだなぁ、この顔」

みも「は、はあ」

くす「……? あっ、もしかして」

えみ「ちょっとうち上がってかない? 美味しいお菓子あるから」グイッ

みも「へ? ちょちょ、待って待って!」

えみ「うん?」

みも「私はちょっと話を聞きたいだけだからここで大丈夫っ。だよね、くっすん」

くす「ふふふ……この人レズだし今フリーだからあげるよ」

えみ「本当!? ありがとっ!」

みも「は? あげるってなにそれ!?」

くす「一人で寂しいんでしょ? だから、ねっ?」

みも「『ねっ?』って意味わかんないし! そもそも私フリーじゃ――」

くす「え?」

えみ「なーんだ、残念」

くす「待ってよ、探偵って彼女いない歴=年齢だったはずだよね?」

みも「あ……いやその、今のはなんというか……」

くす「えっ、嘘、彼女できたの!? どんな人!?」

みも「い、今その話はどうでもいいでしょ! それよりお隣さんの話を聞かないと!」

くす「でも――」


28: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:44:00.21 ID:An0+nTDG

みも「その家、前に住んでたのってなんて人?」

えみ「ああ、徳井さんって人が家族で」

みも「じゃあそこの娘さんの名前は“そら”だった?」

えみ「たぶんそうだったと思うけど」

みも「よしっ!」

くす「これで名字がはっきりしたね」

みも「その徳井さんだけど、いつ頃まで住んでたの?」

えみ「たしか2年くらい前だったかなぁ……」

みも「引っ越し先がどこかはわかる?」

えみ「ううん。いきなり引っ越しちゃったから聞いてないの」

みも「そっか」

えみ「……ここだけの話なんだけどね」

みも「なに?」

えみ「なんか旦那さんが自殺したみたいで、それからすぐにその家を出てったんだよ」

くす「えっ、ほんとに?」

えみ「ほんとほんと」

みも「……なんで自殺なんてしたんだろ?」

えみ「さあ? そこまではさすがにわからないなぁ」


29: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:46:00.01 ID:An0+nTDG



みも「ねえくっすん」

くす「んー?」

みも「さっきの自殺した旦那さんって、会社の社長だったよね?」

くす「あー、そういえばファミレスでそんなこと言ってたね」

みも「その会社って今どうなってんだろ?」

くす「調べてみよっか」

みも「うん、そうしよう」


喫茶店

みも「見つかった?」

くす「うーん……あっ、この徳井ソーラーって会社じゃない?」

みも「どれどれ……おお、それっぽい」

くす「所在地もここのすぐ近くだね」

みも「よし、それじゃあと5分だけここで涼んでから行こっか」


30: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:48:00.07 ID:An0+nTDG

二時間後 ビル前

みも「ないじゃん!」

くす「でもここであってるはずだよ?」

みも「ならどうして……あっ、ちょっとそこの人!」

りぴ「ん? 私?」

みも「このビルに徳井ソーラーって会社が入ってたはずなんだけど……」

りぴ「あー、その会社なら潰れたよ」

みも「潰れた!?」

りぴ「うん。一昨年の今頃だったと思うけど」

みも「マジかぁ……」

くす「私たちその会社の社長さんの娘を探してるんだよ」

りぴ「そうなんだ。けど私は知らないや」

くす「そっかぁ」

りぴ「でもそこの社員だった人なら知り合いだよ」

みも「その人の連絡先教えて!」


31: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:50:00.12 ID:An0+nTDG

くす宅

みも「――じゃあ明日の夜、魚民で。失礼しまーす」ピッ

みも「よーし、元社員の人が会ってくれるって」

くす「あ、うん」

みも「……なに見てんの?」

くす「徳井ソーラーについて調べてたんだけど、こんな記事が出てきてさ」

みも「ん? 死亡事故?」

くす「なんか、ソーラーパネルの設置中に屋上から工具を落としちゃったんだって」

みも「……それが運悪く通行人に直撃したと」

くす「そう。事故が起きたのは3年前。で、被害者の名前は……なんだりょう?」

みも「いや緑色の豚じゃないんだから……“みなみだ”でしょ、南田涼」

くす「そっか。もしかして会社が潰れた原因ってこれかな?」

みも「かもしれないねぇ」

くす「ところで探偵」

みも「なに?」

くす「今日聞き込みしてた時、『フリーじゃない』とか言ってたよね?」

みも「え!? い、言ったかなぁ?」


32: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:51:59.99 ID:An0+nTDG

くす「言ったよ! 彼女できたんでしょ? どうして教えてくれなかったの?」

みも「それはぁ……」

くす「その人の名前は? 歳は? スリーサイズは?」

みも「ストップストップ! 落ち着いて!」

くす「ご、ごめん……。じゃあ、なんちゃん警部補は私が貰っちゃっていいんだよね?」

みも「や、だからえっと……嘘なの!」

くす「へ?」

みも「い、今は誰とも付き合ってないから……」

くす「ほんとに?」

みも「ほんとほんと!」

くす「なーんだ、びっくりした」

みも「ほっ……」

くす「でももしかしたら、いつかそんな日も来るかもしれないんだよね」

みも「え? ああ、そだね……」

くす「そうなったら、ちょっと寂しいかも……」

みも「なんで?」

くす「さあ、なんでだろうねー」

みも「……?」


33: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:54:00.15 ID:An0+nTDG

夜 みも宅

じょる「人探しは順調?」

みも「ええ、まあ。今日だけでも結構収穫ありましたよ」

じょる「へー」

みも「とりあえずそらちゃんのお父さんがやってた会社はわかりました」

みも「ただもうその会社は潰れちゃったみたいで……つまり、父さんの会社は倒産してました」

じょる「……あ、はい」

みも「で、明日の夜そこの元社員の人と飲み食いしながら話してくるんで、晩御飯は適当に済ましちゃってください」

じょる「うん、わかった」

みも「南條さんのほうはどうですか?」

じょる「ん?」

みも「なんか面白そうな事件ありました? あったら教えてほし――」

じょる「そんな事件はない」

みも「じゃあ、気になる事件は?」

じょる「さあね……ただ妙な変死体が発見されて……」

みも「変死体ですか……ちなみにどんな?」

じょる「……ごめん、眠いからもう寝る。おやすみ」スタスタ

みも「あ……おやすみなさーい」


34: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:56:00.20 ID:An0+nTDG

翌日 レストラン

ぱい「ごめんね、忙しいのに呼び出して」

みも「ううん、全然大丈夫。それより本当に奢ってくれるの?」

ぱい「いいよいいよ、好きなだけ食べて」

くす「ごっつぁんですっ!」

みも「でも報告だけなら電話でもよかったんじゃない?」

ぱい「その……直接話したかったから」

みも「そっか。でもさ、あんまり他の女と会ってるとすーちゃんに怒られちゃうんじゃない?」

くす「すーちゃん?」

ぱい「ああ、私の彼女なんだけど、探偵にそっくりなの」

みも「そういやくっすんには話してなかったね。写真見せてもらいなよ」

くす「見たい見たい!」

ぱい「はい、これがすーちゃん」スッ

くす「……え!? これ探偵じゃん!」

みも「そっくりでしょ? 私もびっくりしちゃった」

ぱい「それで……そらちゃんは見つかりそう?」

みも「うーん、今夜会う人からいい情報が聞き出せればいいんだけど……」


35: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:58:31.20 ID:An0+nTDG

スイカ


36: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 21:59:00.07 ID:An0+nTDG

夜 居酒屋

うち「社長の娘さん?」

みも「うん、連絡先知ってれば教えてほしいんだよね」

うち「ごめん、私は知らない」

みも「そう……ま、そんな簡単にはいかないか」

くす「会ったことはあるの?」

うち「うん。2、3回くらいだけど。最後に会ったのはいつだったかなぁ……」

くす「これは空振りかもね、探偵」

みも「うむぅ……」

うち「なんか悪いね、大したこと教えられないのに奢ってもらっちゃって」

みも「はぇ? 奢り?」

うち「あれ? 違った?」

みも「やっ、奢る奢る! どんどん食べて飲んで!」

うち「ありがとー」


37: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:00:00.18 ID:An0+nTDG

みも「じゃ、くっすん。支払いは任せた」

くす「ええっ!? 私が払うの!?」

みも「だって私あんまりお金ないし……」

くす「私だってないよ!」

うち「……やっぱり、私も出したほうがいい?」

みも「ううん、大丈夫! 心配しないで!」

くす「探偵、半分出してね」

みも「う、うん……」

うち「あっ、そういえば」

みも「なに?」

うち「社長の娘さんって私と出身校同じだったような」

くす「……それが?」

うち「私の友達も同じとこ通ってて、たしか娘さんと同い年だったと思うんだけど……」


38: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:02:00.38 ID:An0+nTDG

みも「あっ、その子なら連絡先わかるかもしれないってこと?」

うち「うん。今から聞いてみよっか?」

みも「ぜひお願いっ!」

うち「じゃあちょっと電話してくるね」スクッ

みも「……これは期待できるんじゃないの?」

くす「もう見つかったも同然かもねっ」


五分後

くす「あっ、戻ってきた」

みも「どうだった?」

うち「かけてはみたんだけど、出なくって」

くす「そんなー」

みも「じゃあ連絡取れたらここに電話してくれる? 1コールで出るから」スッ

うち「ん、わかった」


39: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:04:00.71 ID:An0+nTDG

みも宅

ガチャッ……バタン

みも「南條さーん! ただいまー!」

シーン……

みも「返事がない……南條さーん?」スタスタ

ガチャッ

みも「……あっ」

じょる「…………」スヤスヤ

みも「ちょっと南條さん! こんなとこで寝てたら風邪ひいちゃいますよ?」トントン

じょる「んっ……あぁ、みもちゃん。おかえり……」

みも「ダメですよ、寝るならちゃんとベッドで寝ないと」

じょる「うん……眠るつもりはなかったんだけど……」

みも「疲れが溜まってるんじゃないですか?」

じょる「あー、かもね。こないだ休もうと思ってたのにデートに連れ出されたから」

みも「えー? 私のせいだって言うんですか?」


40: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:06:00.20 ID:An0+nTDG

じょる「はは、冗談だよ」

みも「ならいいですけど……」

じょる「なんか調子狂うんだよね、みもちゃんがいないと」

みも「……? 私はここにいるじゃないですか」

じょる「そうじゃなくって、みもちゃんと一緒に捜査してないのが落ち着かないっていうか……」

みも「事件に首突っ込むなって散々言ってたのは南條さんでしょう?」

じょる「まあそうなんだけどさ……不思議だよね」

みも「なにがですか?」

じょる「前はあんなに鬱陶しいと思ってたみもちゃんと、今じゃこんなことになってんだよ?」

みも「南條さん、私のことそんなふうに思ってたんですね……」

じょる「そりゃ思うでしょ、仕事の邪魔してくるんだから」

みも「私はわりと初めから南條さんのこと気に入ってたのになー」

じょる「ふーん」

みも「今やってる仕事が終わったら、また一緒に事件の捜査しましょうね!」

じょる「どーしよっかなぁー」

みも「南條さんっ!」


41: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:08:00.28 ID:An0+nTDG

翌日

みも「ふわぁ~……よく寝た」トテトテ

ジリリリリ!

みも「わっ! びっくりしたぁ……こんな朝早くから誰だろ」ガチャッ

みも「もしもし?」

うち『遅いっ!!』キーン

みも「ちょっ、いきなり大声出さないでよ……」

うち『何回鳴らしたと思ってるの!? 1コールで出るって言ったよね!?』

みも「出たじゃん、1コールで。ていうか誰? 朝っぱらから電話しちゃって……」

うち『……もしかして、寝てたの?』

みも「そうだけど、それが?」

うち『はぁ……時計見て』

みも「時計? えっと……あれっ、12時半?」

うち『信じらんない、こんな時間まで寝てるなんて……』

みも「ご、ごめん……もしかしてその声、昨夜の……?」

うち『そう。思い出した?』

みも「うん。電話してきたってことは、連絡取れたの?」

うち『そういうこと。今日時間ある?』

みも「あるある! 私はいつでも大丈夫!」

うち『じゃあ今すぐ出かける準備して』

みも「へ? 今?」

うち『1時間以内に今から言う場所に来てね、遅刻したら許さないから。じゃあ言うよー』

みも「待って待って! メモとるから!」


42: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:10:00.03 ID:An0+nTDG

一時間後 喫茶店

うち「ま、ギリギリセーフかな。思ったより遅かったけど」

みも「はぁ……そこはむしろ褒めるとこでしょ。大変だったんだから……」

うち「昼過ぎまで寝てるのが悪いんじゃない?」

みも「むぅ……」

くす「で、例の友達は?」

うち「たぶんもうすぐ来ると思う」

みも「思いっきり遅刻だね。来たら怒鳴っていい?」

うち「ダメ」

みも「なんでさー」

うち「あの子には2時までに来てって言ったからまだ遅刻じゃないの」

みも「なにそれ!? ずるい!」

くす「まあまあ探偵、落ち着いて」

みも「でもさぁ……」

うち「とりあえずなにか頼んだら?」

みも「ん? 奢ってくれるの?」

うち「そんなわけないでしょ」

みも「チッ……」

うち「今舌打ちした?」

みも「してませーん」


43: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:12:31.01 ID:An0+nTDG

ナス


44: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:13:00.09 ID:An0+nTDG

くす「もうっ、やめなよ! 私が払ってあげるから!」

みも「ほんと? じゃあねぇ……」

うち「あっ、来た」

しか「ごめん、待った? 早めに来たつもりだったんだけど……」

うち「ううん、大丈夫。座って」

しか「ちゃくせーき! なんつって」

みも「それであなた、そらちゃんと友達なの?」

しか「え? まあ、はい……この人たちって何者?」

うち「あぁ、これは――」

みも「私はそらちゃんの親戚だよ」

しか「へー」

うち「いや、親戚じゃなくてただの探偵だから」

しか「そうなの?」

みも「あれ、私探偵って名乗ったっけ?」

くす「言ってなかったと思うよ?」

うち「隠してるつもりだったの? 名刺に思いっきり“探偵”って書いてあるんだけど」スッ

みも「……あ、そっか。昨日名刺渡したんだった」

しか「あの……話っていうのは……?」

みも「えっとね、私たちそらちゃんに会いたくてね」


45: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:14:30.16 ID:An0+nTDG

しか「どんな用事で?」

みも「あー、それは言えないんだよ。ごめんね」

くす「とにかく連絡先だけ教えてくれればいいから!」

しか「……話しても大丈夫なのかな?」

うち「あんまり大丈夫じゃないと思う」

みも「ちょっ、余計なこと言わないで!」

しか「じゃあごめんなさい」

みも「へ?」

しか「連絡先は教えられません」

みもくす「ええっ!? なんで!?」

しか「だって見るからに怪しいし……」

みも「怪しくないよ! 私みたいな美人が悪い人なわけないでしょ?」

しか「やっぱり怪しい……」

みも「うぅ……どうしようくっすん」

くす「うーん……あれやってみなよ! 手握るやつ!」

みも「あっ、そうだね! ねね、ちょっと手出して」

しか「な、なにするつもり……?」

みも「いいから! よっと」ニギッ

ビビッ!

しか「なに!? なに!?」


46: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:16:00.22 ID:An0+nTDG

みも「ふっふっふ……あなた、レズでしょ?」

しか「……! うっちー、この人なんか怖い! 絶対悪いエスパだって!」

みも「総合スーパーか。エンジョイ・ショッピング・プラザ・アリーナか」

うち「私の友達ビビらせるのやめて」

みも「ちょっとくっすん、能力逆効果じゃん!」

くす「ごめん……」

みも「えっと、じゃあじゃあ……そうだ!」

うち「今度はなに?」

みも「私たちね、警察官と知り合いなの! ほら、名刺見せてあげる!」スッ

しか「……なんしのあいきゅう?」

みも「うん、“なんじょうよしの”ね」

うち「なにやらかしたの?」

みも「やらかしてないよ! 今からこの人に電話かけるから私のこと聞いてみてよ。ほい、スマホ」スッ

しか「…………」

プルルルル……プルッ

じょる『もしもしみもちゃん? どうしたの?』

しか「あ、えと……」

じょる『今朝ずいぶんぐっすり寝てたけど、ちゃんと起きれた?』

しか「あのっ、も、もしもし」

じょる『……誰?』


47: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:18:00.16 ID:An0+nTDG

しか「そのっ、私は決して怪しい者じゃなくて……」

じょる『まさか……お前、みもちゃんになにしたっ!!』

しか「ひっ……! ち、ちがちが……」

みも「もう、なにしてんの? ちょっと貸して!」

しか「あわわ……」

みも「もしもし南條さん? 私です、みもりんです」

じょる『みもちゃん! 無事なの?』

みも「ええ、まあ。すみません、お仕事中に電話して」

じょる『ううん、気にしないで。でも急に電話してきたってことは、なにか困りごと?』

みも「そうなんですよ! 今尋ね人の友達に会ってるんですけどね、私のこと全然信用してくれなくて」

じょる『あー、だいたい事情は察した。かわってくれる?』

みも「はい。ほら、もっかい話してみて」

しか「こ、こんにちは……」

じょる『こんにちは。ごめんね、さっきは怒鳴って』

しか「いえ……ほんとに警察官なんですか?」

じょる『まあ……一応ね』

しか「そうですか……」

じょる『あのね、みもちゃんって言動はアレだけど、悪い子ではないんだよ』

しか「はあ……」


48: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:20:00.21 ID:An0+nTDG

じょる『でももしなにかあったら警察に通報していいから』

しか「やっ、さすがにそこまでは……」

じょる『あとわりと私の生活もかかってるから、協力してもらえると助かるかな……』

しか「なんか、大変なんですね……」

じょる『うん……みもちゃんにかわってもらっていい?』

しか「あ、はい。どうぞ」スッ

みも「もしもーし、再びみもりんです」

じょる『みもちゃん、あんまり失礼のないようにね』

みも「わかってますよぉ」

じょる『わかってなさそうだから言ってんだよ?』

くす「探偵探偵! 私もなんちゃん警部補と話させて!」

みも「ダメだよ、南條さん仕事中なんだから」

くす「ちょっとだけ! ねっ!」グイッ

みも「あ、ちょっ……」

くす「もしもしなんちゃん警部補? くっすんだよー」

じょる『あぁ、助手か。みもちゃんのこと頼むよ』

くす「うんっ、任せて! あ、あとねあとね――」

じょる『ごめん! そろそろ切らないと。またね』

くす「えっ、待ってなんちゃ――」

ブツッ


49: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:22:00.00 ID:An0+nTDG

くす「切れちった……」

みも「それで、連絡先は教えてくれるの?」

しか「……電話してみる」ピッ

プルルルル……プルルルル……

しか「もしもし? シカコだけど……」

くす「大丈夫かな?」

みも「大丈夫じゃなかったら困るよ」

くす「友達って言ってもどれくらいの仲なのかで変わってくるよね」

みも「でも電話番号知ってるなら親友レベルなんじゃないかな」

くす「えっ?」

みも「えっ?」

くす「あっ……」

みも「なに? え、なに?」

しか「――ん、じゃあそう伝えとく」ピッ

みも「あ、そらちゃんはなんだって?」

しか「会ってくれるみたい」

みも「ほんと!?」

くす「よかった~」

みも「いつどこで会ってもらえるのかな?」

しか「今日家で待ってるって。場所は……」


50: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:24:00.14 ID:An0+nTDG

アパート前

みも「ここか」

くす「なんていうか……ボロいね」

みも「そういうこと言わないの! 行くよっ」スタスタ

くす「はーい」

コンコン

みも「こんにちはー。みもりんですけどー」

そら『はいはーい』

ガチャッ

みも「あ、どうも。私がみもりんだよ」

くす「私はくっすん!」

そら「ああ、いらっしゃい。どうぞどうぞ、中へ中へ」

みも「お邪魔しまーす」

くす「しまーす」

………………

…………

……


51: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:26:31.10 ID:An0+nTDG

キュウリ


52: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:27:00.03 ID:An0+nTDG

みも「――ってことで探してたんだよ」

そら「へぇー」

くす「……なんか反応薄いね」

みも「え、仲良しだったんだよね?」

そら「うーん……そうだったのかな? あんまり覚えてなくってさぁ」

みも「まあ15年も経ってちゃねー」

そら「でも会ったら思い出せるかもしれない」

みも「そうだね。とりあえず連絡先教えておくから、電話してあげてよ」

そら「うん、そうする」

くす「は~、これにて一件落着かぁ」

みも「なに言ってるのくっすん、私たちの仕事はまだ終わってないよ」

くす「ほぇ?」

みも「だって報酬支払ってもらうまでが仕事でしょ?」

くす「あっ、そっか。あはは!」

みも「うへへ、がっぽり稼ぐぞー!」

そら「なにこの人たち……」


53: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:28:00.22 ID:An0+nTDG

翌日 ファミレス

みも「そらちゃんから連絡はあった?」

ぱい「うん。明日会ってくれるって」

みも「そっか、よかったね」

ぱい「本当に、ありがとうございましたっ!」

くす「探偵」

みも「わかってるよ。それじゃ、お支払いのほうを……」

ぱい「どうぞ」スッ

みも「じゃあ確認を……んんっ!?」

くす「どしたの?」

みも「見てみ」スッ

くす「ん……? 嘘っ!?」

ぱい「あれ、もしかして少なかった? ちょっと色をつけたつもりなんだけど……」

みも「いやっ、大丈夫!」

ぱい「そう?」


54: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:29:59.89 ID:An0+nTDG

みも「むしろ多すぎるくらいだよ……」ボソッ

ぱい「?」

みも「……ほんとに貰っちゃっていいの?」

ぱい「もちろん」

みも「で、では収めさせていただきます……」

くす「ところですーちゃんは元気?」

ぱい「えっ? あぁ、うん。元気元気!」

みも「すーちゃんかぁ……やっぱ会ってみたいなー」

ぱい「んー、でも合成にお金かかるから……」

くす「合成?」

ぱい「ううん、なんでもない」

みも「ま、すーちゃんが嫌がってるならしょうがないかぁ」

ぱい「あー、嫌がってるってわけじゃないんだけどね」

みも「とにもかくにも、明日はそらちゃんと感動の再会を果たしておいでよ」

ぱい「うんっ! これで、やっと……」


55: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:32:00.13 ID:An0+nTDG

夜 みも宅

みも「――ってわけで無事お金を稼げました!」

じょる「はい、お疲れ様」

みも「もっと褒めてくださいよぉ~」

じょる「子供じゃないんだから」

みも「むぅ……私すごく頑張ったのに」

じょる「あー、よしよし。みもちゃんは偉いねぇ~」

みも「……なーんか馬鹿にしてません?」

じょる「こうしてほしかったんとちゃうんか」

みも「まあいいや、抱き枕~!」ギュウゥ

じょる「ちょっ、暑苦しい! 抱きつくなぁ~!」

みも「ねね、南條さん。私がどうやってそらちゃん見つけたか詳しく聞きたくありませんか?」

じょる「……話したいんでしょ? いいよ、聞かせて」

みも「えへへ、あのですね……」

………………

…………

……


56: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:34:00.19 ID:An0+nTDG

翌日 くす宅

みも「はい、これがくっすんの分ね」スッ

くす「お~、いっぱいあるー!」

みも「大事に使うんだよ?」

くす「はーい! じゃあ探偵にはこれだけ返すね」スッ

みも「ん」

くす「そんじゃ早速飲もうよ!」

みも「そだね。じゃあ、昼間っからカンパーイ!」

くす「かんぱ――」

ピリリリリ……ピリリリリ……

みも「電話? あっ、南條さん!」ピッ

みも「もしもーし、みもりんでーす」

じょる『ああ、みもちゃん? 今どこにいる?』

みも「くっすんの家ですよ。祝杯をあげようと思って――」

じょる『お酒飲んだの!?』

みも「いや、まだですけど……」

じょる『ならよかった。すぐに車出して』

みも「はい?」

じょる『それから例の依頼人に今すぐ電話してくれる?』

みも「ちょっと待ってください! いきなりなんなんですか?」

じょる『説明は後でする。とにかく電話して、私が教える方法で居場所を聞き出して。いい?』

みも「わ、わかりました……」

じょる『一回しか言わないからちゃんと聞いててね。まず――』

――――――

――――

――


57: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:35:59.88 ID:An0+nTDG

車内

プルルルル……プルルルル……

ぱい『もしもし?』

みも「あ、私みもりんだけど」

ぱい『探偵? どうしたの?』

みも「その、ちょっとお願いがあって」

ぱい『お願い?』

みも「今、外?」

ぱい『うん』

みも「じゃあさ、近くの電柱の広告の写真を取ってほしいなー、なんて」

ぱい『どうして?』

みも「あー、実は私電柱広告マニアでさ。いろんな電柱広告の写真を集めてるんだよね」

ぱい『へ~』

みも「よかったら協力してくれないかな?」

ぱい『ん~、わかった。メールで送ればいいよね?』

みも「うん、撮ったらすぐ送ってくれると助かるかな」

ぱい『オッケー』

みも「じゃ、よろしくー」ピッ

くす「……うまくいったの?」

みも「たぶん」


58: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:38:00.20 ID:An0+nTDG

ピロリン

みも「来たっ!」ピッ

みも「えー、これを南條さんに転送っと……」ピッ

みも「よーし、でけた!」

くす「なんちゃん警部補、どうしたんだろ?」

みも「わかんないけど、かなり急いでるみたいだったね」

ピロリン

くす「あれ? 私のが鳴った」

ピリリリリ……ピリリリリ……

みも「こっちは電話だ」ピッ

みも「もしもし南條さん? メール届きました?」

じょる『うん、バッチリ。助手に送ったメールは見た?』

みも「今見ます。くっすん、メール見せて」

くす「はい」スッ

じょる『その地図の場所に行ってほしいの』

みも「ここに行けばいいんですか?」

じょる『そう。私も今向かってるけど、とにかく急いで!』

みも「わかりました。くっすん、レッツゴー!」

くす「ラジャー!」ガチャッ

ブーン……


59: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:40:32.10 ID:An0+nTDG

白菜


60: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:41:00.13 ID:An0+nTDG

みも「……では説明してもらいましょうか」

じょる『うん。昨夜徳井ソーラーの事故のこと話してくれたよね?』

みも「ええ、それが?」

じょる『あの事故の被害者の名前、覚えてる?』

みも「はい。たしか“みなみだりょう”……でしたよね?」

じょる『ううん、違う』

みも「いやいや、あってるはずですよ?」

じょる『読み方が違うんだよ。あれは南田涼って書いて、“なんだすず”って読むの』

みも「えっ!? あれ“なんだ”って読むんですか!?」

じょる『注目すべきはそっちじゃない、“すず”のほう。この事故の被害者は、あの“すーちゃん”なんだよ』

みも「すーちゃんって……まっさかぁ~」

じょる『そのまさかなの。今南田涼の写真が手元にあって……』

みも「私そっくりの超美人なんですか?」

じょる『私でも見分けがつくかわかんないくらいにはね』

みも「……ん? ってことはどういうことですか?」

じょる『だから! そらちゃんが危ないってこと!』

みも「そんなっ……」

じょる『今みもちゃんたちが向かってるのはその事故が起きた現場』

じょる『復讐をするとしたら、その場所しか考えられない』

みも「…………」

じょる『みもちゃん?』

みも「……私、必ずそらちゃんを守ってみせますっ!」

じょる『うん、頼んだよ』


61: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:42:01.31 ID:An0+nTDG

ビル・屋上

ぱい「すーちゃん……もうすぐだよ」

ぱい「私が、敵を討ってあげるからね」

ぱい「全部終わったら……きっとまたすーちゃんに会えるよね?」

ぱい「そしたら、私のこと……ぎゅって抱きしめてほしいな」

ぱい「私もすーちゃんを抱きしめて、もう二度と離したりしないよ」

ぱい「だから……待っててね」




そら「うーんと、たぶんこの辺だと思うんだけど……」

そら「あっ、あのビルかな?」スタスタ……

そら(にしても、私ってば酷いよなぁ。友達のことすっかり忘れちゃうなんて)

そら(向こうはこんなに時間が経っても会いたいって思ってくれてたのに……)

そら「ああ、やっぱりここだ。まだ来てないのかな……?」


62: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:44:00.14 ID:An0+nTDG

車内

ナビ『目的地周辺です。案内を終了します』

くす「ついたみたいだけど……」

みも「どこにいるの……!?」

くす「あっ、あれかな?」

みも「んっ……? そうみたいっ、車停めて!」

キキーッ!

ガチャッバタン

みも(お願いっ、間に合って!)タッタッタッ

みも「みもりんタックール!!」バッ!

そら「ん?」

ドスッ!

そら「うぐっ!」

ズサッ!

ガシャンッ!

そら「いったぁ……」

みも「ま、間に合った……よかった~……」ゴロン

そら「ちょっと、なにすんの!? あちこち擦りむいたじゃん!」

みも「はあ……はぁ……死ぬよりはマシでしょ……」

そら「えぇ……? うわっ、なにあれ!?」

みも「あれは……でっかいおにぎり!」

そら「いや、たぶんiMacだよ」

みも「あんなのぶつかったら絶対死ぬって……」


63: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:46:04.26 ID:An0+nTDG

ビル・屋上

ぱい「嘘っ、なんで……?」

ガチャッ

ぱい「っ!」

じょる「はぁ、はぁ……そのまま動かないで!」

ぱい「だ、誰!?」

じょる「忘れたの? こないだデパートで会ったはずだけど」

ぱい「……あっ!」

じょる「思い出した?」

ぱい「どうして、こんなところに……」


ビル前

くす「探偵! 大丈夫!?」

みも「あぁ、うん……私は大丈夫。そらちゃんもね」

そら「ねえ、これどういうことなの!?」

みも「説明は後! くっすん、この子をお願い」

くす「わかった!」


64: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:47:59.95 ID:An0+nTDG

ビル・屋上

ガチャッ

みも「ふ~……あれっ、南條さん!」

じょる「よっ、みもちゃん」

みも「来てたんですね」

じょる「うん。みもちゃんがタックルしてくのが見えたから、私はまっすぐ屋上に」

みも「そうでしたか……ん?」

ぱい「…………」

みも「ねぇ」

ぱい「……どうして、わかったの?」

みも「えっ? あー、それは……南條さんが気付いて教えてくれたから」

ぱい「そっか。探偵が気付いたわけじゃないんだ……」

みも「あぅ……」

じょる「なんというか、みもちゃんがおしゃべりなおかげで助かったよ」

ぱい「どうしてわかったんですか?」


65: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:50:00.15 ID:An0+nTDG

じょる「うーん……実はずっと気になってたことがあってさ」

みも「気になってたことって?」

じょる「デパートで見せてもらったすーちゃんの写真」

みも「え、あの写真なんかおかしいとこありました?」

じょる「あったよ、後ろに写ってたテレビのニュース」

みも「……それのどこが変だって言うんですか?」

じょる「あの写真もう一回見せてくれる?」

ぱい「……はい」スッ

じょる「ねぇみもちゃん、テレビにはなにが写ってる?」

みも「んー……ペットボトル、ですか?」

じょる「そう。これは3年前に活とかいう怪しい水を売ってる会社の社長が、薬事法違反で逮捕されたときのニュース」

じょる「これに気付いた時、どうしてそんなに前に撮った写真を見せたんだろうって思ってね」

じょる「まあ単にお気に入りの写真なのかもって考えてたんだけど、そうじゃなかった」

みも「……もしかして、これがすーちゃんを最後に撮った写真?」

じょる「たぶんね。事故の日付から考えても、その可能性が高い」


67: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:52:01.04 ID:An0+nTDG

みも「でもどうして今になって復讐なんて……」

ぱい「それは……探偵に出会ったから」

みも「えっ……?」

ぱい「すーちゃんのことはね、もう忘れようとしてたの。そうしないと、前に進めないって思ったから」

ぱい「そのためにすーちゃんを思い出しちゃうものは全部処分した。写真もプレゼントも、なにもかも……」

ぱい「だけど……最後に撮ったその写真だけは、どうしても削除できなくて……」

ぱい「それでもね、写真は見ないようにして、すーちゃんのことを忘れられるように頑張ってたの」

ぱい「実際、もうほとんどすーちゃんを思い出すことはなくなってたし……」

ぱい「そんな時だよ、探偵が私の前に現れたのは」

みも「…………」

ぱい「あの時はびっくりしたなぁ……最初はすーちゃんが帰ってきたんだって、本気で思っちゃった」

ぱい「それで一気にすーちゃんの思い出がよみがえって……」

じょる「復讐を思い立ったってわけ?」

ぱい「……うん」

みも「待ってよ、それでなんでそらちゃんを殺そうってことになるの?」

ぱい「あの会社の社長が生きてたらそっちを殺してたよ。でも会社はとっくに潰れてて、社長も死んでた」


68: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:54:00.28 ID:An0+nTDG

みも「だったら復讐なんてしなくてもいいんじゃ――」

ぱい「よくないよ。だって勝手に死なれたら復讐にはならないでしょ? 私が、この手で殺さなくちゃ……」

みも「でもそらちゃんは関係ないよね? いくら社長の子だからって……」

ぱい「関係あるよっ!」

みも「どう関係があるの?」

ぱい「すーちゃんは! あの社長の娘と同じ歳で死んだの!!」

みも「っ……」

ぱい「すーちゃんは殺されたのに、あの女は普通に生きてるなんて不公平だよ……」

じょる「不公平か……まあ、たしかにそうかもしれないね」

ぱい「でしょ? だから――」

じょる「だとしても、それはあの子の命を奪っていい理由にはならない」

ぱい「……そんなの、自分の一番大切な人が突然いなくなったりしてないから言えるんだよ」

ぱい「もし探偵が誰かに殺されても、おんなじことが言えるの?」

じょる「それは……」

ぱい「ほら、やっぱりなにも言えないんだ……」

じょる「…………」


69: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:56:00.07 ID:An0+nTDG

ぱい「私はっ、あの女がなにかしたわけじゃないなんてことわかってる!」

ぱい「復讐したってすーちゃんは戻ってこないこともわかってる!」

ぱい「ただ、そうすれば少しは気が晴れるんじゃないかって思ったのっ!」

みも「……本当に好きだったんだね、すーちゃんのことが」

ぱい「うん……今でも大好きだよ」

みも「……そっか」

ぱい「ねぇ、探偵」

みも「なに?」

ぱい「どうして私の邪魔をしたの? 殺人は犯罪だから? 復讐は愚かなことだから?」

みも「いや……どっちでもない、かな」

ぱい「えっ?」

みも「ぱいるちゃんはさ、すーちゃんが復讐を望んでると思う?」

ぱい「……そんなのわかんないよ」

みも「そうだよね、わかんないよね」

ぱい「探偵にはわかるって言うの?」


70: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 22:58:00.15 ID:An0+nTDG

みも「いや、私にもわからないよ。すーちゃんの気持ちはわからない」

みも「ただ……“私が”復讐なんてしてほしくないって思ったの」

ぱい「……!」

みも「だから、邪魔しちゃった」

ぱい「……ずるいなぁ、探偵は」

みも「そうかな?」

ぱい「ずるいよ……すーちゃんとおんなじ顔で、そんなこと言うなんて……」

みも「いい女ってのはずるいものなんだよ。シャ乱Qも言ってたでしょ?」

ぱい「え?」

じょる「あー、シャ乱Qはさておき、そろそろ仕事してもいい?」

みも「どうぞどうぞ」

ぱい「…………」

じょる「午後2時16分。殺人未遂の現行犯で、逮捕する」

――――――

――――

――


71: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 23:00:00.09 ID:An0+nTDG

警察署・取調室

そら「そっか……あの事故の……」

みも「今回のことは私にも責任があるから、謝らせて。本当にごめんなさいっ!」

くす「ごめんなさいっ!」

そら「そんな、いいって!」

みも「よくないよ! 私がもっと早く気付くべきだったのに……」

そら「その、ふたりが助けてくれたおかげで私は無事だったんだしさ……」

みも「でも……」

そら「私がいいって言ってるんだからいいの!」

みも「……わかった」

そろ「ぱいるちゃん……でしたっけ? あの子はどうなるんですか?」

じょる「うーん……これから送検して、起訴されて裁判になったら実刑判決になる可能性が高いね」

そら「そう、ですか……」

じょる「まあ刑を軽くしてあげたいって言うなら、方法がないわけじゃない」

そら「じゃあ……!」

じょる「ああ、相談するなら私じゃなくて弁護士にね」

そら「あ、はい」


72: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 23:02:00.18 ID:An0+nTDG

数日後 みも宅

ガチャッ

みも「あっ、おかえりなさーい!」

じょる「ん、ただいま」

みも「南條さん南條さんっ。ご飯にする? お風呂にする? それとも、み・も――」

じょる「ああ、今日はちょっと話があるからまずはそれで」

みも「話?」


リビング

じょる「そこ座って」

みも「はい……」

じょる「どうしたの? なんか顔色悪いけど」

みも「そ、そうですか? 普通だと思いますよ……?」

じょる「もしかして別れ話でもされると思った? んなわけないでしょ、馬鹿だなぁみもちゃんは」

みも「なっ、別にそんなこと思ってませんよ! 南條さんこそバーカバーカ!」

じょる「はいはい……じゃあ本題に入っていい?」

みも「ど、どうぞ……」

じょる「実はみもちゃんに渡したいものがあってさ……」ゴソゴソ

みも「はあ……」

じょる「これ、受け取ってくれる?」スッ


73: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 23:04:12.70 ID:An0+nTDG

みも「なんですか? これ」

じょる「開けてみればわかるよ」

みも「じゃあ、失礼しまーす……」パカッ

みも「あっ、これ! デパートで売ってた値段が可愛くない指輪! どどど、どうして……?」

じょる「みもちゃん、今日が何の日か覚えてる?」

みも「今日? えっとえっと……なんだっけ」

じょる「やっぱり忘れてるか」

みも「ち、違いますよ! ちょっと思い出せないだけで――」

じょる「だからそれを忘れたって言うんだよ……ってこの間もおんなじこと言った気がする」

みも「あはは……なんかこれ、婚約指輪みたいですねっ!」

じょる「なーに言ってんだ。いい? 今日は私とみもちゃんが初めて会った日なんだよ」

みも「あっ……そういえば今くらいの時期でしたね」

じょる「はぁ、どうして覚えてないかなぁ」

みも「す、すみません……まさか南條さんがそんなことを覚えているとは……」

じょる「覚えてちゃ悪い?」

みも「いえ、悪くないです! でもだったら私も何か用意しておくべきだったなぁ」

じょる「気にしないで。ちょっと早めの誕生日プレゼントだと思ってくれればいいから」

みも「えへへ、ありがとうございます。大事にしますね!」

じょる「うん。そうしてくれると嬉しい」


74: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 23:06:31.03 ID:An0+nTDG

大根


75: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 23:07:00.30 ID:An0+nTDG

みも「……ねぇ、南條さん」

じょる「なに?」

みも「もし私が誰かに殺されたら、南條さんはどうしますか?」

じょる「……いきなりどうした?」

みも「その……屋上でぱいるちゃんに聞かれた時、答えられなかったじゃないですか」

じょる「……そうだなぁ、まあ犯人は絶対に捕まえたいけど、私にはできないかな」

みも「どうしてですか?」

じょる「たぶん捜査から外されると思うからさ」

みも「そうですか……」

じょる「だから私はそうならないように、みもちゃんのことを守ってあげたいな」

みも「南條さん……!」キラキラ

じょる「あ……さ、さーて、話も済んだしお風呂入ってこようかなぁ?」

みも「あっ、じゃあ私も一緒に!」

じょる「えー? マジで?」

みも「お背中流しますよっ、さあさあ!」

じょる「ちょ、押すなって……」

つづくかな?


76: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 23:08:00.20 ID:An0+nTDG

お粗末さまでした。


77: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 23:26:49.51 ID:Glpfxnk6

乙でした、ストーリー面白くてシリーズ中で一番好きかも


78: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 23:27:58.29 ID:E2dIyArc

新作乙乙!!


79: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 23:34:35.67 ID:O9vvsnIm

ありがとう


80: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 23:34:44.83 ID:rugoLB0h

やっぱり中の人ssっていったらこれだな
おつ


81: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/09(金) 23:52:33.10 ID:/LJ50ren

安定のクオリティだな、乙


82: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/10(土) 01:08:59.14 ID:gFs5kHQY

おもろかった。突然来てるから見逃すところだったわ


83: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/10(土) 01:32:27.22 ID:cWVAylpl

乙乙乙、次も期待


84: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/10(土) 01:54:23.53 ID:H3s9U8N9

復活乙
まあこれは殺人未遂にはならずに殺人予備にとどまって、「ぱいるちゃん」も実刑は免れるかもな、めでたしめでたし


85: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/10(土) 02:30:24.97 ID:m2xFrL7g

きたこれ


86: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/10(土) 19:08:45.91 ID:H3s9U8N9

金曜ワイド劇場「三十路探偵・みもりんの事件簿 XXIX」
http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1470394800//?v=pc

日曜ワイド劇場「三十路探偵・みもりんの事件簿 XLIII」
http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1472990401//?v=pc

二夜連続ドラマ「三十路探偵・みもりんの事件簿 XLVII」旅行中に盗難事件勃発!ダサパンツを穿くレズ下着泥棒の正体とは……
http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1475755200//?v=pc

金曜ワイド劇場「三十路探偵・みもりんの事件簿 FINAL」レズ痴漢くっすんを救え!さらば南條さん!!みもりん最後の事件!!?
http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1480680000/87-n?v=pc

金曜ワイド劇場「三十路探偵・みもりんの事件簿 FINAL-II」帰ってきた迷探偵!最大の敵登場?木の上で両腕を広げる死体の謎
http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1491566400/17-n?v=pc


あとは知らん


100: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/13(火) 22:34:54.09 ID:xpwoqO6C

>>86
の抜けてるやつ
日曜邦画劇場「三十路探偵・みもりんの事件簿 -劇場版- 貧乳対巨乳!恐怖の毒キノコ殺人事件」[字][S][デ]
http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1478433600/
新春ドラマスペシャル「三十路探偵・みもりんの事件簿 ZERO」探偵が探偵を殺した?レズがレズを呼ぶ…これが始まりの事件![字][解][S][デ]
http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1483358400/


90: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/11(日) 11:29:08.06 ID:wrlwgF9O

みもりんの能力って何だっけ?握手したら能力者がわかるだっけ?握手したらレズがわかるだっけ?握手したらレズの能力者がわかるだっけ?


92: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/11(日) 16:39:31.56 ID:Js7cM+fT

>>90
レズか分かる能力


91: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/06/11(日) 16:33:38.80 ID:FAACCqlr

何だかんだで全部おもろい


引用元: ・http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1497009601/

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